レバノンの大学生の健康行動と心理的健康が学業成績に及ぼす影響の探索

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レバノンの大学生の健康行動と心理的健康が学業成績に及ぼす影響の探索:横断的研究

要約

目的

- 重要な将来の成功の決定要因である高い学業成績は、食習慣、ライフスタイル、精神衛生など多くの要因に影響を受けることが知られています。
- この研究の目的は、大学生の栄養習慣、日常生活、精神状態を調査し、これらの要因と学生の学業成績との関連性を精査することです。

方法

- 電子調査票を使用して、私立レバノン大学の学生を対象として横断的な調査が行われました。食事、食習慣、運動、睡眠、喫煙が評価され、精神衛生は、統合されたうつ病、不安、ストレススコア(DASS-8)のアラビア語版を用いて評価されました。学業成績は、主観的学業成績尺度(SAAS)を使用して測定されました。

結果

- 質問票に回答した学生の総数は1677名でした。SAASスコアを依存変数とした線形回帰の結果、非科学的専攻に比べて科学的専攻を持つ学生(Beta= 0.53)および週に4回以上朝食を食べる学生(Beta=0.28)は、有意に高いSAASスコアが示されました。より精神的苦痛(Beta= -0.06)や外食の日数がより多い学生(Beta= -0.07)は、低いSAASスコアに関連していました。

結論

- 健康的な食事習慣やライフスタイル、そしてストレスの少ない心理状態を持つ学生により良い学業成績が示されました。これらの結果は、レバノンが直面する複雑な未曽有の危機を考えると、高等教育の学生に健康的な習慣を促進することが、より良い学業成功の可能性を生むドライバーになることを示唆しています。

文献紹介

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37365573