大学生における感情的な食事摂取
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大学生における感情的な食事摂取:対処法、健康的な食事の動機および障壁との関連性
要約
背景
- 感情的な食事は、ストレスや他のネガティブな感情状態に対して食事を摂ることで、体重の過剰増加や過食症リスクの増大などの負の影響をもたらします。ストレスと感情的な食への反応は普遍的ではなく、どのような状況やメカニズムでストレスと感情的な食を関連付けるのかを明らかにすることが重要です。特に大学生の場合、高いストレスと食事習慣の悪化のリスクがあります。
方法
- 本研究では、若者の大学生のサンプル(n = 232)を対象に、知覚されたストレス、感情的な食事、対処法、健康的な食事の動機および障壁の関係を同時におよび1年後に調査しました。
結果
- 基準時点では、感情的な食事は知覚されたストレス(r = 0.36, p < .001)、健康的な食事の障壁(r = 0.31, p < .001)、健康的な食事の動機(r = -0.14, p < .05)および回避的な対処法(r = 0.37, p < .001)と有意に関連していましたが、積極的な対処法とは関連していませんでした。また、回避的な対処法は知覚されたストレスと感情的な食事の関係を中介(間接効果 b = 0.36, 95%CI = 0.13〜0.61)および修飾(b = -0.07, p = 0.04)していました。研究の仮説に反して、基準時点でのストレスレベルと1年後の感情的な食への関連はありませんでした。
結論
- 回避的な対処法を利用する大学生は、ストレスが感情的な食への影響を受けやすい可能性があります。大学生を対象とした健康的な食事介入では、健康的な食事の障壁の軽減に加えて、ストレス対処法にも取り組む必要があります。