成人における異常脂質症に対する栄養介入

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成人における異常脂質症に対する栄養介入:国立脂質学会の臨床的視点

要約

- 生活習慣は動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスクに深刻な影響を与える。
- 国立脂質学会は過去に異常脂質症の管理のためのライフスタイル療法に関する勧告を発表した。
- この臨床的視点は、成人における3つの最も一般的な異常脂質症のうち、1)低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)上昇、2)トリグリセリド(TG)上昇、総チルミクロン血症を含む極度の高TG血症、および3)LDL-CおよびTGレベルの両方が上昇する複合異常脂質症に焦点を当て、栄養介入についての最新情報を提供する。
- ASCVDリスクを減らすために、LDL-Cと非高密度リポタンパク質コレステロールを低下させることが主な目的である。
- 極度のTG上昇(≥500 mg/dL)の場合、主要な目的は膵炎を防止することであり、ASCVDリスクの低下は二次的である。
- LDL-Cレベルを低下させる栄養介入には、コレステロール上昇脂肪酸と食事中のコレステロールの減少、不飽和脂肪酸、植物性タンパク質、粘性食物繊維の摂取を増やし、過体重または肥満の患者には脂肪組織を減らすことが含まれる。
- 選択された食品サプリメントは、食事の補助として使用される場合がある。
- TGレベルが上昇したすべての患者に対する栄養介入には、アルコール、添加糖質、精製されたデンプンの摂取制限が含まれる。
- TGレベルを低下させる追加的な生活習慣には、毎日の運動参加、過体重または肥満の患者の脂肪組織の減少が含まれる。
- 極度の高TG血症の患者には、個別のアプローチが必要である。
- LDL-CおよびTGの同時上昇を対処するための栄養介入には、LDL-CとTGの低下のために記載されている戦略の組み合わせが含まれる。
- 成功した栄養介入の実現と維持を支援するため、多専門的アプローチを推奨し、登録栄養士の支援が非常に推奨されている。

文献紹介

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37271600