子供の栄養指針への遵守度と歯の虫歯:縦断的コホート研究

習慣の大切さをお伝えしたい!!という所長。
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子供の栄養指針への遵守度と歯の虫歯:縦断的コホート研究

要約

背景

- 虫歯の発生には、栄養素はもとより他の食習慣も関わっている。
- 個々の栄養成分の摂取は、他の栄養素、食品、習慣を含む全体的な食生活から判断する必要がある。
- したがって、本研究の目的は、栄養指針への遵守度と歯の虫歯との関連を調査することである。

方法

- 本研究は、オランダのロッテルダムで実施されたGeneration R Studyに組み込まれた。
- 対象は、2911人の子供たちであった。
- 8歳のときの食事摂取量は食品摂取頻度調査によって評価された。
- 栄養指針への遵守度を反映する食事品質スコアが算定された。
- 13歳のときに、歯の虫歯は口内写真によって評価された。
- 社会人口統計的特徴と口内衛生慣行について調整した多変量ロジスティック回帰分析を実施し、関連を評価した。

結果

- 13歳時の歯の虫歯の有病率は33%(n = 969)であった。
- 食事品質が向上するほど、重度の歯の虫歯の発生が低くなった。
- 社会人口統計的要因を調整した場合、食事品質が最も高い4分位と最も低い4分位との間で、重度の歯の虫歯の発生率に有意な差があった。
- 口内衛生慣行を追加調整した場合、この関連性は統計的に有意ではなかった。

結論

- 栄養指針に遵守することは、子供の歯の虫歯を減らす潜在的な効果がある。
- ただし、適切な口内衛生慣行がある場合、この関連性は緩和される可能性がある。
- 日常の食事機会の貢献度を理解するために、食生活パターンと歯の虫歯の役割をさらに研究する必要がある。

文献紹介

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37349896